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【研修先インタビュー】それは、共通言語になる。

2020.9.1

株式会社エスプール
執行役員 人事部長
米川 幸次氏

なぜ今、競争体感型なのか。

今春も開催された、ディプレの代名詞とも言えるチームビルディング合宿研修「ZERO」。
全国から新人が送り出され数多くのドラマを競争体感型で感じ取り、帰路に就いた。
彼らが何を感じ、どう行動に移したか、ということこそ合宿の成果に他ならない。
一方、彼らを送り出した企業はなぜこの時代に、競争体感型の合宿を選んだのか。
その理由にこそ、真の目的や企業が仕事に求める人材像の背景があった。
企業のトップが語る、競争体感型合宿を選択した目的に迫った。

「しつけ」の教育から見直すことで社長を育てることをゴールに据えています。

 新卒研修を見直すタイミングで導入を決めました。創業当初から採用時の基準となっていた、ベンチャーマインドや創業意欲、社長を目指せる資質をもった人材が集まりづらくなったことが背景にあります。その時に覚悟したのは「しつけ」レベルから企業が取り組むべきだということ。学校や家庭で、競争に勝つという成長意欲の源や、メンタルタフネス、ストレッチゴールの設定など「やりぬくマインドセット」とも言える性質・性格そのものを育てる必要性があると考えたのです。創業当初から常に不変である「社員教育のゴールは、組織のトップを育てること」という目標の為には、一人ひとりの社員と向き合って価値観の共有を図り、指導しながら組織をまとめていくレベルの人材が不可欠でした。ポテンシャルのある人材に、真にビジネスで反映できる力を養ってほしい。そのために必要な基本的な力をつけてもらえる研修であることに、大きな魅力を感じたのです。

変化のスピードが速い中でもロボットに出来ない技術を持つ人を育てたい。

 AIやロボディクスなど技術変革が進む現代。成長存続し続けるために、企業自身もあらゆる変化に対応できるよう変革が求められています。今の5社7事業も、何年後かには無くなるかもしれない。そのような中でも、新たな事業を生み出すことがわたしたちの企業には求められています。前述の「組織のトップを育てる」とは、人間の介在価値が薄れていく時代においても、組織の中枢やリーダーを担える人材を育成し、リーダーとしての喜びや難しさ面白さを体感させ、成果を最大化させることに意欲的な人材を確保していくことなのです。その自信の源となる体験価値や「第一歩目の勇気」を、幸いこの合宿研修では培うことが出来ていると感じています。

共通言語が生まれることでロールモデル人材がさらに生まれていく。

 この研修の定義する内容に合わせて意義や意味を考えることで、社内では共通言語化や「ことばの共有化」ができるようになりました。研修と実践のギャップをどう埋めるかは常に研修の課題ですが、当社らしさなども取り入れていただけたことで、今年は「同期との約束」と銘打ち「できる、超える、まだできる~Believe in yourself」という言葉が組織内に生まれました。再現性のある行動の予備体験である研修の成果が結実した素晴らしい内容だったと感じています。
 また、ロールモデルとなる人材を、合宿研修に「サブトレーナー」として送り出したことで、既に体験した人材が一層学びや体験価値を深め、手を挙げて「組織を任せてほしい」と言ってくれるようにもなりました。自らすすんで地方都市を任される人材にまで育ったことも、目に見える成果と言えます。これらは文化としていずれ組織に根づき、組織の成長が彼らの成長と比例する関係を一層描いていけるのではないでしょうか。ビジネスの場面でリアリティを発揮できる研修機会として期待していきたいですし、その成果が顕著に表れるのが、この「競争体感型研修」の意義であると考えています。

Team Building Academy広報誌「POSITIVE No.19」より